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2014.02.17 Monday

猫との生活

by 吉田智則


吉田智則です。
今年もよろしくお願いいたします。もー2月だけど…(笑)


昨年の年末から我が家に家族が増えた。

といっても子どもが出来たワケでも結婚したわけでもなく、一匹の野良猫だ。

2013年も暮れていく寒風吹きすさぶ12月のある日の深夜。
仕事が終わって、帰宅した時のことだった。
玄関を開け、ウチに入ろうとしたその時、アパートの敷地内のこじんまりした芝生の中庭で、
「うぅぅぅぅ…」という不気味なうめき声が聴こえた。
女の人のような、赤ん坊のような…

といっても怪談話ではない。
芝生から繋がるつつじの茂みを覗くと、そこには一匹の猫がうずくまっていた。
暗がりの中でボクと目が合った。
暗くてよく分からないが、猫は片目がほとんど開いていない状態。
それでも必死にボクを凝視すると、少しおびえたように後ずさりして、茂みの奥へ逃げようとした。
しかしその猫は意志とは裏腹に、まったくカラダが動かないらしく、その場で尻ごみしながら、
「うぅぅぅ…」と小さく唸っていた。病気か、ケガをしているらしい。
ボクは家に入って、冷蔵庫から鶏のささみを取り出し、軽く火で炙って細かく切って、
小皿にのせて、茂みに持っていってみた。

ずいぶんお腹が空いていたんだろう。
動けない猫は、それでもささみの皿に必死に顔を伸ばそうとした。
鶏肉を手にのせて猫の口元まで持っていってみる。
食べた。
もっと食べたがっている。

ボクは思い切って手を伸ばして、猫のカラダをヒョッと持ちあげた。
猫は思いのほか抵抗しなかった。きっとそんな力もなかったのかもしれない。
ボクは猫を抱きあげると、部屋に入った。
フローリングの床にマットを敷いて、その近くにストーブを置いて、
鶏肉のゴハンと、水を用意した。猫はまたたくまにその鶏肉を食べきった。

次に熱湯でタオルをしぼると、猫のカラダをふいてみた。
血だらけの顔を拭くときは少し嫌がったが、あとはほとんど無抵抗だった。

少しきれいになった猫を見ると、右目の上がパックリ切れている。
顔が血だらけだったのは、この傷のせいだろう。ほとんど目が開いていない。

ケガしてる

ひどい風邪もひいているようで、鼻水をダラダラ流していて、「シューシュー」と、
息もまともに出来ておらず、四足で立つこともできないらしく、マットの上で、カラダを横たえたままだった。

猫はその夜、ウチの床で眠った。ストーブの前で横たわったまま、まるで死んでいるようだった。

死にそう…

次の日、ウチの近くの動物病院にいって相談した。
さすがに連れてはいけなかったから、ボク一人で。はじめての動物病院にドキドキした。
スマホで撮った猫の写真を先生に見せると、
「たぶん他の野良猫とケンカでもしたケガでしょう。それと猫風邪もひいているみたいだね」という。
エサに混ぜる抗生物質を処方してくれて、最後にこう訊かれた。
「この猫、どうするの?面倒みるの?」
「あ、はい。元気になるまでは…」

こうして猫との二人暮らしがはじまった。

元気ない

ケガと風邪でよほどギリギリの体力だったのだろう。
最初の数日間はゴハンを食べる時以外は、ほとんど寝っぱなしだった。
なんだか可哀想で、床のマットの横に毛布を持ってきて、猫と並んで眠った。

それでも猫の回復力にはおどろいた。
10日もすると家の中を自由に動き回って、ニャーニャー泣きだした。
2014年のお正月には顔の傷もほとんど判らないほどになっていた。

横で並んで寝なくなった今でも、ボクがベッドで寝ようとすると近くにやってきて眠る猫。

腕で寝る

猫の寝顔を見ながら、こいつといつまで一緒にいるのかと考えた。

一度だけ、外に放して、ドアを閉めてみた。
1分もしないうちに、玄関前でニャーニャー鳴き出した。
ドアを開けると、つぶらな目をしてボクを見上げていた。

にゃー

それ以来、ずっとウチで暮らしている。

あたたかくなったら、外に出してあげたい、とも思う。
告白すると、ウチのアパートは、ペット厳禁なのだ(笑)

だから、猫に名前はつけていない。これ以上、情がわくのも危険だ。

「おい、猫」と呼ぶと、「にゃぁ〜」と言う。

桜が咲くころまでは、この二人暮らしを続けようと思っている。



P.S お次はボクの猫より驚きのペットを飼っているという東龍一の登場だっ!

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